中朝交易拠点に制裁の影響じわり

第278号  2017年12月20日発行

特別報道

国連制裁下の中朝国境・丹東を歩く①

その日、丹東(中国・遼寧省)は雪になった。

前夜冷え込みが厳しく早々に宿に戻ったのだったが、朝、窓の外は雪景色に変わっていた。窓から鴨緑江を挟んで間近に望む朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の新義州も雪に覆われている。

老朽化が伝えられる1943年完成の中朝友誼橋

丹東を訪れるのは、当紙2015年4月15日号にレポートを寄せた同年3月以来、2年8か月ぶりのことである。その後、今年9月の6回目の核実験を含め3度の核実験と頻繁に重ねられたICBMなど各種ミサイル発射によって、国連安全保障理事会の数次にわたる制裁決議がおこなわれた。制裁が厳しく重ねられている中朝国境の街、丹東はまさにこの寒さ同様、「冷え込み」に直面していることが各所の見聞から伝わってきた。

丹東市街中心部から車で20分ほど郊外へ。国連安保理の制裁議論の中でも金融と並んで米国が「究極の圧力」としてこだわる「原油」の供給拠点、「中国石油管導公司鴨緑江輸油站」。ここも薄らと雪をかぶっている。辺防警備にあたる公安派出施設が隣接している。いうまでもなく写真撮影は禁じられている。

外見を眺め早々に立ち去ることにする。少し離れた道路わきの草地に「高圧、油気(簡体字)、管道、易燃、易爆、危険」という表示のある「中朝輸油管道」の標識が立つ。この下を鴨緑江の川底をくぐり北朝鮮に油を送る「送油管」が通っていることになる。何気ない標識だが地下を通る送油管を流れるどろりとした原油を思い浮かべ、感慨深く見つめた。

ここから市街に戻り30分ほど、郊外の山間にさきほどの「輸油站」に原油を送るタンクが立ち並ぶ備蓄施設にも足を延ばした。多分普段通りの作業がおこなわれているだけの「そこ」で何かが「見える」わけではない。しかし、あらためて丹東という地が置かれた戦略的地位と中朝関係における意味を深く考えることになった。

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