日中関係は「再正常化」すべき

第275号  2017年9月15日発行

コラム

9月8日、中国政府は北京人民大会堂で、日中国交正常化45周年記念パーティを閧催した。中国人民対外友好協会からの招待状が届き、私は東京から北京に飛んだ。

中国政府は5年、10年の区切りに記念パーティを主催し、日中友好交流事業に貢献した人々を招待してきた。5年前には、尖閣諸島(中国名:釣魚島)「国有化問題」があり、すでに準備していたパーティをキャンセルしたこともあった。今回は10年ぶりの記念活動となり、大変意義のあるものとなった。

中国政府はどんな時にも待遇のランクにこだわる。10年前には日中関係が良好で、パーティは北京人民大会堂を会場とし、温家宝総理も出席した。今年の日中関係は10年前ほど良くはないが、北京人民大会堂で開催された。しかし出席したのは李克強総理でも政治局委員でもなく、全人代委員会副委員長兼秘書長の王晨氏であった。日本で言えば衆議院副議長の身分にあたる。ほかには前国務院委員で日中友好協会会長の唐家せん氏、中国人民友好協会会長の李小林氏などであった。

私は中国社会科学院日本研究所所長の高洪氏とこの待遇レベルについて話し合った。彼によると、隣国関係の中で、中国政府は明らかに日本との関係を重視しているという。今年の中韓国交樹立25周年の記念パーティは、人民大会堂ではなく北京のホテルで、待遇は大きく落ちたが、これはTHAADミサイル配備が影響している。

今回のパーティの日本側出席者は、前衆議院長の河野洋平氏、日中協会会長の野田毅氏、公明党副代表の北側一雄氏、駐中国大使の横井裕氏などの政界人だったが、自民党副総裁の高村雅彦氏はなぜか出席していなかった。民間人では、松山バレー団の森下洋子氏らが出席していた。もっとも人気があったのは田中角栄元首相の娘さんの田中真紀子氏であった。田中真紀子さんはスピーチ中で、角栄氏の訪中前後の秘話を話し、パーティの大きな話題となっていた。

パーティ会場となった3階の金色の大広間は、毎年北京の「両会」期間中、総理が記者会見する場所で、私はすでに10回ここにきているが、ここで食事したのは初めてだった。テーブルは29卓、。総勢300人。私は第27テーブルで、ここは日本のマスメディアや中国総局長が座った。

中国双方でスピーチがあったが、その主な内容は次の3つである。一つは日中国交正常化の歴史を振り返るもの。次は両国関係のさらなる改善を期待するもの。3つ目は両国が合意した一連の文書や原則に基づいて、双方の利益を尊重し、両国の違いをうまく処理するということである。

中国外交部の幹部によると、現在中国が最も注目しているのは、日本政府が台湾問題でどのように勣くかである。というのは、今年初めから日本政府は駐台湾日本代表部のランクを上げただけでなく、副大臣が台湾を正式に訪問している。「これは日中国交正常化45周年の中で、日本政府が初めてレッドラインを越えたと言える」と幹部は憂慮する。東海や南海問題に比べて、中国はさらに日本の台湾問題の一挙手一投足に注目していると感じた。台湾問題は両国関係の新たな導火線になっている。

唐家せん会長は中国政府の対日関係の代弁者で、スピーチで新たな概念を提案した。それは「一帯一路戦略の枠組みの中で両国関係と経済合作を推進する」というものである。ここから、中国政府は日本がAIIB銀行に参加し、一帯一路計画に加わることに今でも期待していることがわかる。

これに積極的に応えたのは経済団体連合会長の榊原定征氏で、日本企業も「一帯一路」に参加することは決して悪いことではなく、両国経済の互恵互利に役立ち、日本企業が海外市場を開拓することに与すると私に語った。

パーティの出席者は、速やかに日中韓三か国サミットを開催し、日中首脳の相互訪問制度を再開し、両国関係の「再正常化」を実現すべきと考えていることが明らかであった。